きじキジBOOKレビュー

2015年03月31日

春休みも残りわずか、みなさんいかがお過ごしでしょうか?まとまった時間の取りやすい長期休暇を利用して本をたくさん読んでいる人もいるかと思います。今回は、編集部員が実際に読んだ新書を紹介!大学生が読む本の一例として是非参考にしていただきたいです。

 

 

 子どもの貧困-日本の不公平を考える 著者:阿部彩(岩波新書)

 

この本は、私が履修していた『社会学原論』のレポートの課題図書だったことがきっかけで読み始めたのですが、とても興味深い内容だったため、是非皆さんにも読んでほしいです。本書は「世代間の断ち切れない貧困の連鎖」をテーマにし、貧困世帯の子どもに及ぶ影響を学力、健康、就職と様々な面から考察しています。本書の大きな特徴はとにかく統計データが多い事。数字で表すことによって難しい内容も理解しやすくなっています。先進国で起こる相対的貧困、特に大学進学が当たり前になりつつある現代での奨学金問題や義務教育課程で起こる給食費の滞納など私たちの身近な問題が多く取り扱われています。アメリカをはじめとする、外国の政策との比較も面白いですよ。個人的には、勉強をする意味について考えさせられた一冊でもあります。

 

 

〇 大学とは何か 著者:吉見俊哉(岩波新書)

 

こちらも『社会学原論』の課題図書の一冊です。みなさんも、「大学に通う意味」を一度は考えたことがあると思います。この本は大学の存在意義がテーマ。学歴至上主義の現代に一石を投じています。問われる教育の質を、中世の大学誕生の歴史まで遡って考察しており、大学という教育現場の新たな側面に気づける一冊です。上の本に比べると少し難しい内容になりますが、世界史が好きな人には特におすすめな一冊!大学で学ぶ意義を考えるきっかけになるのはもちろん、大学システムの移り変わりがわかるのは非常に面白かったです。

 

 

 

新しい本を読むにあたって、専門書等は手が出しにくいかもしれませんが、新書は専門的な内容を学ぶための入り口となってくれる本です。今回紹介した二冊は、その中でもわかりやすい内容だと思います。特に私と同じ社会学を学んでいる学生や、社会学に興味のある皆さんにはオススメです!皆さんは最近どんな本を読みましたか?

(社会学部1年 宮原)

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