学芸員課程のリアルに迫る!

2017年01月24日

武蔵大学では、教職課程や証券アナリスト、社会調査士など、様々な資格取得のチャンスがあります。

今回は、数ある資格の中でも、学芸員課程を履修した4年生3人にお話を伺いました。
武蔵大学の学芸員課程の魅力や、学芸員の仕事について、ご紹介致します!
学芸員課程の詳しい内容については→こちら(学芸員課程の概要:武蔵大学)


はじめに、自己紹介をお願いします

澤田人文学部ヨーロッパ文化学科4年の澤田菜桜です。「美術」分野※1です。最近の趣味は、格言を調べることです。
水戸同学科4年の水戸奈津美です。「歴史」分野です。好きなことは寝ることです。(笑)
浅野同学科4年の浅野美都です。「美術」分野です。趣味は、誕生花や誕生石の意味を調べることです。
※1「分野」…学芸員には、それぞれ専門分野があり、それに応じた博物館・美術館で活躍をしている。

学芸員課程を履修したきっかけ


澤田
:高校時代、武蔵の大学案内で学芸員課程のことを知ったのですが、当時はあまりやろうという気はありませんでした。でも入学後、何か資格が取れたらいいなと思い、履修することにしました。

浅野:私もです。やっぱり、大学時代に資格は取っておきたいなと。
水戸:私はもともと小学校のときから学芸員になりたかったんですよ。でも門戸が狭いということで一回諦めたんですが、高校のときに、やっぱりもうちょっと頑張ってみようと学芸員のある大学を探していて、先生に武蔵大学を教えてもらいました。
――大学入学前に学芸員に興味を抱くような経験などはありましたか?
水戸:学芸員という職業を知ったのは、小学校の「職業調べの時間」だったんですが、それ以前からよく親と一緒に博物館に行くことが多くて、国立科学博物館はもう隅から隅まで知ってるくらいでした。他にも、動物園や水族館、それは理系の学芸員の仕事ですが、好きだな、面白そうだなと思っていました。はじめは受付のお姉さんが学芸員なんだと勘違いしてましたけどね(笑)
浅野:私も小さいとき、色々な博物館に連れて行ってもらったはずなんですけど、ポストカードは残ってるのにその記憶が全然ないんですよね。昔は全然興味がなくて、ただついて行っていただけだったから。今思えば、すごくもったいないことをしたなと……せっかくだからもっとちゃんと見ておけばよかったです(笑)
澤田:私は、学校で美術館に連れていってもらったり、世界史の資料集に載ってる芸術作品を観たり、その解説を読んだりするのは、割と好きでした。だから学芸員課程が武蔵にあるならやってみようかなと思い履修しました。
水戸:きっかけはやっぱり「興味」とか、「好きだ」ってことですよね。

 

学部・学科の比率は?

――学芸員課程を履修する学生は、人文学部が多いのでしょうか?
水戸:はい、多いです。人文学部だと、単位が被っていて学芸員課程を取りやすいと思います。
――人文学部内の割合としてはどうですか?
澤田:日東(日本・東アジア文化学科)が多くて、英米(英語英米文化学科)は、あまりいなかったです。
水戸:日東とパ文(ヨーロッパ文化学科)が多いですね。あと、学芸員課程はほとんどが女子です!今年も、男子は20人中5人だけ。力作業があるので男手を募集してます!(笑)

 

1~2年次必須の「概論」科目について

水戸:実際に学芸員をなさっている方が教鞭をとっています。実習はもちろんだけど、座学(概論)は座学で、けっこう面白かったです。
澤田:私は「博物館教育論」(博物館と教育の関わりについての講義)が面白かったです。
水戸:年度によって先生が変わるから、一概には言えないけど、「博物館展示論」で自分でポスターを作る課題が出たり、「博物館経営論」で自分で展覧会を考えてみたりとか、そういうのも面白かったです!

 

3、4年次の「博物館実習」について



――博物館実習では、実際に博物館に足を運び、学芸員の仕事を実践するのですよね?

水戸:具体的には、「見学実習」「実務(取り扱い)実習」「研修旅行」「課程報告書制作」などを、リーダー班を中心に皆で進めていきます。「見学実習」「実務(取り扱い)実習」は、どちらも講師を招いて行うのですが、講師を呼ぶアポ取りから、全部自分たちでやりました。

浅野:私は「取り扱い実習」担当で、紐の締め方や、風呂敷の包み方などを学びました。1番最初の班だったので、先生も手厚く面倒を見てくれました。でも、次の班にはそこまでしてくれないので、私たちが次の班にすべきことの引継ぎを行う必要があって、最初の班でもそういう大変さはありました(笑)
水戸:私と澤田は3年の後期にある「研修旅行」の担当で、2年の2月からずっと話し合いを続けるっていう長期スパンでした。

――どんなことが楽しかったですか?
澤田:学芸員は図録とかに載せる写真を撮ることもあるのですが、それを実践する「資料画像撮影」が面白かったです。レフ版を使って光の当て方を変えて、影が入らないようにしたり、ライトをめっちゃ必死で持ち上げたりしました(笑)
浅野:光を作品に直に当てないように、とかね。
水戸:被写体がガラスだと、それに自分が映らないように、黒い服を着て、黒子で撮影しました(笑)
――逆に大変だったことは?
水戸:予想以上に大変だったのが、展示品をしまう箱に使う「紐」。結び方が何種類もあるんです!
浅野:茶道具の「茶入れ」も、どんなお茶を入れるかで名前が違うんですよね。
水戸:あとは「漢字」も。
澤田浅野:ああ~!!
水戸:初見で読めないし、「掛け軸」も、ただ「掛け軸」じゃなくて場所によって名前があるんです。
私たちパ文(ヨーロッパ文化学科)は、普段は日本文化のことを学んでいないので、予め自分で調べておかないとわからないという大変さはありましたね。

4年次の館園(学芸員)実習について


浅野
:実際に博物館に行って働かせていただく実習です。

澤田:「この分野の学生を受け入れます」というのが、各博物館にあります。
水戸:分野に関しては、武蔵は「歴史」「民俗」「美術」「考古」がありますが、「考古」を選ぶ人はほとんどいないです。首都圏には、あまり考古の博物館がない上に、実習が出来ないと資格が取れないんですよ。だからほとんどは3つのうちのどれかで、「考古」に行きたい人は歴史にしておくと選択肢が広がるから、そうする人が多いですね。
――実習先は、どうやって決めるのですか?
澤田:実習を受け入れてくれるという博物館に、自分で応募します。
水戸:応募したらすぐ受け入れてくれるわけではなく、面接や、試験があるところもあります。
澤田:課題のレポートを提出するところもありますね。
水戸:中には、その分野や博物館運営に関する、何千字のレポートを出さなくちゃいけないところもあるから、1年生のうちから、ちゃんと勉強しておくと良いです。
――実習では、何日くらい、どんなことをするのですか?
澤田:日数は、館によってバラバラですね。
浅野:私は1週間でした。
水戸:だいたい10日とか、長いところだと2週間とかです。集団で実習したり、個別で実習したり、色々ありますね。美術品に触らせてくれるところと、そうでないところもあるし、館によって何もかも違います。私は刀を扱いましたしね(笑)
浅野:私は、実習先が座学の講師の先生のところだったので、武蔵大学の学芸員課程用のお茶碗をいくつか借りていって、それを使って実習しました。

実習でわかった「学芸員」のリアルな仕事現場

澤田:学芸員って研究がメインなのかと思っていましたが、決してそういうわけでもないことに驚きました。
浅野水戸:ああ~!
水戸:海外の学芸員が研究だけなのと違って、日本は「雑芸員」と呼ばれるほど、何でも、ありとあらゆることをやってますね。広報として広告のポスターを1から作ったり、体験プログラムの内容や、展覧会に置く展示品、その導線(順路)を考えたりとか。重い展示物を運ぶような力仕事も多いし、机仕事って感じじゃなくて、かなりアクティブ!体力勝負です。
浅野:屏風とかは、重いですよね(笑)
水戸:ヨーロッパの絵画も、額に入ってるのがほとんどだからとても重いです!(笑)
澤田:1つの館にいる学芸員の数が少ないです。小さい館だと1人のところもありますし。
浅野:1人で全部企画してると思うとスゴイですよね。
澤田:そうしながらも、ちゃんと研究報告もしないといけないですしね。
水戸
:あと、学芸員って色んな知識が求められます。

澤田:展覧会ごとに、展示品も変わってきますからね。
水戸:専門の知識ももちろん、害虫などについての知識も必要です。
浅野澤田:ああ~!
水戸:害虫に巻物や古文書が喰われないためにとか、保存するのに適した温度や湿度にも注意する必要があって、そういうちょっと理科的な知識も必要になってきます。間違えると、世の中に2つとないものを失ってしまうことになるから慎重にしないといけない。幅広い知識が必要なんだと思います。
――学芸員を目指す人には良いアドバイスですね。他には何かありますか?
浅野:みんな「人間性が大事だ」って言いますね。
水戸:人と人との関わりが大事ですよね。「展覧会」を開くには自分たちだけでは絶対に出来ないから、展示物を借りるにはやっぱり人望とか人の繋がりが大事なんだと思います。要するにコミュニケーション!

 

ずばり勉強になったこと


水戸
「ビジネスマナー」ですかね。アポ取りや、ビジネス文書、公になる「課程報告書」を書くときは、正しい日本語の使い方・文章の書き方が必要になるから、そういうのが就活でも役に立ったと思います。あとは、自分からやろう、話そうとする「積極性」。日々の実習での話し合いでも、黙っていたら何も進まないので。

浅野:今どこまで進んでるのかという進捗を、何も聞かないでいたら、何も物事が進んでいなかった、なんてこともあって、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」の大事さがよくわかりました(笑)

 

学芸員課程と就職の関係は?


水戸
:私は、就職先は学芸員とは関係ないですね(笑)

澤田:私もです(笑)
水戸:でも進路の選択肢としては、大いに結びつくと思いますよ。例えば博物館の作品が壊れないように梱包する運送業の美術品運送部などはよく聞きます。
澤田:展覧会のパッケージ会社みたいなのもあります。「こういう企画展をあなたのところでやりませんか?」と、企画提示するような。
浅野:設営の仕事についた先輩もいました。
水戸:そうそう。ガラスとか、照明とかも博物館用のものがあったりして。就職の幅は広いと思います。もちろん実際に学芸員になっている人もいます。

 武蔵大学の学芸員課程の魅力を教えてください!

浅野:武蔵大学の学芸員課程では、実際に掛け軸、茶碗、茶入れなどを扱う練習ができるのですが、それはどの大学の学芸員課程でも出来るわけではないことを知ったとき、すごく恵まれた環境なんだな、と思いました。
水戸:他大と比べて実習の機会が多いほうだと思います。特に、博物館の運営に関する実習がたくさん出来ます。撮影実習があったり、キャプション(説明パネル)を作れたりとか。人数の多い大学だと、座学中心になっちゃったりとか、資料の取り扱いのみで運営に関しては全然やってないという話も聞いたことがあるので、武蔵は手厚いんじゃないですかね。また、武蔵には、実習でメインでやらないことも、自主的に学べる環境が整っています。例えば「拓本」は道具がありますし、「刀剣」は本物はないですが、ビデオ教材などがあるので勉強することは出来ると思います。武蔵の実習は大変だけど、好きなら頑張れると思います。

 最後に、4年間の学芸員課程を振り返って


水戸
:なんだかんだで楽しかったです。(笑)

澤田:視野が広がりました。もともとそんなに詳しくなくて、知らないことばかりだったから、色々知ることが出来たっていうのはありますね。
浅野:専門家の方や、学内の色んな学部から集まってきた、色んな人と出会えました。
水戸:学科や部活の仲間とは、また違った面白い出会いがありましたね。


4年間の集大成!模擬展覧会

学芸員課程の4年生が企画、制作、展示を行う「模擬展覧会」が行われています。

今回は経済学部の履修生による展示です!是非見に来てください。
『賢く付き合うネットバンキング』展

主 催:武蔵大学学芸員課程 4年次生

会 期:平成29年1月23日(月)~1月30日(月)

時 間:月~金 9:00~16:00  ※土日休み

会 場:武蔵大学8号館3階ラウンジ

入場料・観覧料:無料
○ギャラリートーク(学生による展示解説)

日 時:1回目 1月23日(月)/ 2回目 1月27日(金)

各回12: 00~ 30分程度を予定。

会 場:武蔵大学8号館3階ラウンジ

内 容:学生による展示解説を行います。

申込み:不要(当日直接会場へお越しください)


学芸員資格取得は簡単ではありませんが、学芸員課程での経験は様々な事柄や多くの人と出会えるチャンスでもあると思います。大学生のうちに他の人とは違うことがしたい人、また美術品や歴史に関心がある人は、学芸員課程に挑戦してみてはいかがでしょうか!

お忙しい中、貴重なお話をしてくださった浅野さん、澤田さん、水戸さん、本当にありがとうございました!

アイキャッチ画像:モナ・リザ-Wikipedia
画像:かわいいフリー素材集「いらすとや」

(社会学部3年 中村 2年 今野 細谷 1年 雨池)

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