在学生が迫る!武蔵大学・新学部設置の最前線
2022年4月、武蔵大学に新しい学部ができる予定ってご存知でしたか?
その名も「国際教養学部」(仮称)。現役在学生の私も、このニュースには驚きました。
読者の皆さんも気になっているであろう新学部のあれこれ。
「なんで今、新学部ができるの?」
「ほかの大学の国際教養学部と何が違うの?」など…。
在学生だからこそ聞けることがあるのでは?と思い、今回新学部設置の最前線を担う教授にオンラインでインタビューしました。
受験を考えている高校生はもちろんですが、中盤からは全ての大学生に刺さる内容のインタビューになっていると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
今回お話を伺ったのは、新学部設置準備室室長の東郷 賢教授です。
———どういった経緯で新学部を設立することになったのですか?
今、経済学部にPDPっていうコースがあるけど、それはどの程度知ってる?
———英語を学んで社会に出るための力を養うみたいな…。(すみませんよく知りませんでした)
それじゃダメだよ(笑)
武蔵大学で勉強をするんだけど、武蔵大学の試験とロンドン大学の試験を別々に受けて、合格すると武蔵大学の学士号とロンドン大学の学士号が両方もらえるのがPDP(パラレル・ディグリー・プログラム)。
PDPの1期生には19人を選んで、その中の2人がロンドン大学の学士号を取りました。
今年で6年目に入るけど、合格率は高くなってるし、成績もすごい。
僕が教えている科目で、世界2位になった人がいます。あと数学で満点を取って、世界1位になった人もいます。
———世界一とはすごいですね。
成績もどんどん高くなっているし、学生さんもPDPをやるために来ています。
ところが、今だと経済学部の中にあるから、PDPのカリキュラムを一緒にやるのが難しい。
もう一つ、人文学部にGSC(グローバルスタディーズコース)があって、だんだん実績も出てきたから、独立して一緒になってやりますかと。両方とも英語で授業をやっていて、英語だけで卒業できます。
あとは、外国人の先生が多い。日本語がわからない人でもOKにしてます。
だから、教授会も英語でやります。今のところ先生が20人決まっているけれど、そのうち12人が外国人。
日本語が話せない先生が入っていると、英語でやらないといけないから、既存の学部だとそれが難しい。それも学部を独立した理由です。
———英語で教授会をする学校なんてほかにないですよね。
多分ね。自分は英語教育がちゃんとされていない頃に教育されたから結構大変なんだけど、みんなに助けてもらってやっています。
外国人の先生は、世界中から募集をかけて採用しています。
LSE※は経済学分野で世界でトップ5に入る大学院だけど、そういうところを出た先生が来てくれてます。
日本語を話せなくてもよければ、そのくらいの人が来てくれる。日本語で絞ると母集団が少なくなっちゃうから、できるだけ優秀な先生を採ろうということで、採用してるんです。
※LSE…ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
———電車内で「世界水準で学び抜く覚悟はあるか。」という新学部の広告を見たのですが、これにはどんなメッセージが込められていますか?
よくぞ聞いてくれました。
PDPの1期生は2人しか卒業しなかったけれど、その2人って、実は入ったときには上位じゃなかったんです。
どうして19人から2人になったっていうと、まず一年目の試験では、5人くらいしか受からなかった。でもロンドン大学の試験って、決して歯が立たない問題ではないんだよ。
でも日本の大学って、入ると4月にサークルに勧誘される。先輩が色々誘ってきて、遊んじゃう。それだとついていけない。
最後まで残った2人にどれくらい勉強したのって聞くと、平日は予習復習で1日3時間。週末は、土日のうちのどちらかは、ずっと勉強する。それを4年間やったわけ。それをやれば、卒業できるんですよ。
———毎日3時間とはすごいですね。
でも実は、海外の大学はみんなそうしてるんです。
日本だけなんだよ、大学生が遊んでるのは。
普通の学生は、大学受験に合格すればそれでおしまい。「サークルとバイトをやって、コミュニケーション能力高めればいいじゃん。」と思っている。それってどういうことかというと、
世の中の大卒の人の中で、高卒の知識で終わってる人が結構多いということ。
———グサッときます(笑)
話を戻すと、最後まで予習復習できた人が、ロンドン大学の卒業証書を手に入れられたということ。ほかの人たちで、もっと優秀だった人もいたんだけど、勉強が続かなかった。もちろん協定留学とかに進路変更した人もいますけど。
「世界水準で」っていうのは、入ったからには、ちゃんと予習復習してね。遊んでないで、やることはやるんだよ。というメッセージです。
———なるほど。新学部では、大学の4年間でも高校でやっていたような受験勉強をコツコツやっていくんですね。
でも受験勉強とは違う点があって。日本の大学入試って、偏差値が上がるほど、落とすための試験なんですよ。
ロンドン大学の試験は、教えたことが理解できてますかっていう試験で、変な問題は出てこない。
かつ重要なのが、社会に出たらすぐに使えるような勉強をしてるので、終わった瞬間に全部忘れてOKじゃないんです。
日本の大学受験だと、日本史の教科書で、一生に一度しか使わないようなことを覚えたりしたでしょ?
———心当たりがあります。
そんなことをやっても、社会で使えなければ時間の無駄なんだよ。
自分の教えている統計学だと、現実の世の中で統計の知識をどうやって使うの?とかそういう勉強をします。勉強していると面白くて、面白いからレベルアップしていくんです。
———「ゼミの武蔵」なので、この学部もやはりゼミで伸ばしていくのでしょうか?
それはなかなか難しいところで、海外の大学に行くとゼミってあまりないんだよ。
———初めて知りました。
なぜかというと、海外の大学って、1年に取るのが4科目。それが週2回あって、毎週のように宿題を出すから、ゼミの代わりに、授業が大変なんです。先生も採点がけっこう大変。
日本の大学ってゼミでしか勉強しない人っていっぱいいるけど、海外は授業だけで大変なんです。
新学部では、「ゼミの武蔵」でゼミもやるんだけど、むしろどっちかっていうと、基本は日々の授業です。
———ここまでお話を聞いて、私もちゃんと勉強しようと思いました。
新学部に入りなおしてみる?
(笑)(笑)
———最後に在学生へのメッセージを伺いたいです。
これからの時代だと、競争したり一緒に働いたりする相手はアジアを中心として、外国人が当たり前。そうすると英語は必須で、英語が話せない人はサバイバルするのが難しい。
海外の大学生は、皆英語はできて当たり前。自分の国の状況と、これをやって生きていこうっていう明確なビジョンがあって勉強しています。そういった人と同じような意識を持たないと、取り残されるよ。
気がついた人は早めに準備した方がいい。早く気が付いた人が勝ちです。
———ありがとうございました!
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いかがだったでしょうか。国際教養学部の学びがハイレベルで、「勉強」の本質を追求していることを実感しました。
またインタビューを通して、私も夢の実現のために、自分から動いていかないといけないと感じました。
高校生の皆さん、武蔵大学の国際教養学部もぜひ検討してみてください。
新学部についてもっと知りたい方はこちら!→学部公式ウェブサイト
社会学部1年 てらだ
(アイキャッチ素材:ぱくたそ)