武蔵大学の知名度を上げたい。
◾️少人数大学の広報
早速ですが、知名度アンケートの結果をご覧になって、現状についてどう思われますか?
知名度ってなんだろうね。自分たちでは知名度が低いと思っているんだけど、本当に低いのかな?
低いですよ(笑)寺田くんはどうして武蔵大学を知ったの?
たしか、高校の先生から聞いたのが最初だったと思います。
武蔵大学は少人数ゼミで面倒見がいい、という話を聞いて、実際入ってみたら良かったです。
それが武蔵大生の大半ですよ。
知名度にはいろいろな考え方があると思うんだけど、高校の先生への知名度は極めて高いので、寺田さんのように先生が「武蔵って良いよ」と言ってくださっているんです。
それはデータにも表れています。
▲大学通信調べ (2021)
2021年版では、「面倒見が良い大学」の指標で全国3位→2位に上がりました!おめでたい!
ただ、寺田さんのように「入ってみたら良かった」という評判が、世間一般に広がらないのはなぜかっていうと、卒業生が年に1000人しかいないからなんです。
70年間の武蔵大学の歴史で、1年あたりの卒業生の人数が一番多いのが今で、1000人なんですよ。開学当時は何人だったんだろう。
120人です。
120人!?
圧倒的に評判をひろげる人数が少ないんですよ。大規模な大学だったら、広報が告知しなくても、評判は広まっていきますよね。
でも広報的な面で、武蔵大学の知名度が致命的に低いかっていうと、それは違うと思うんです。大学の広報の求めるところは、受験者を増やすことなんだけど、その点、募集人数に対する受験者は多いんです。
武蔵大学に通ってくれる生徒のおよそ8割は、自宅から通学しているんですね。対して地方の人は少ない。
もちろん、地方にいてもゼミなどの噂を聞きつけて、全国から来てくれているんだけどね。
だから、知ってほしいエリアには届いているんだけど、全国で知られているかというと、申し訳ないけどこういう結果になっていると。
私がとったアンケートの結果でも、「地方への知名度は低いが、東京では知っている人が多い」という意見が多かったです。そう考えると、狙ったところには効果が表れているといえそうですね。
欲張って全国にも広めたいんだけど、一学年1000人なので、経済的な問題もあります。
大学の収入はみなさんからいただいたお金なので、大部分は教育のために使われています。それでも、消えていくお金(施設費などを除く)の中で、一番予算配分が多いのが、広報なんです。
その限られたお金をどこに投入するか考えたときに、きちんと伝わる首都圏中心に広告を出しています。もちろん全国向けにも出していますが。
あとはスポーツで強いものや有名人がいればいいんだけどね。
そこはやっぱり「ゼミの武蔵」なんですよ。勉強をきちんとしないと卒業できなくて、「マラソンが速ければ卒業できます」とかはないので、きちんと学習させているってことですよね。
箱根駅伝に出るってなるとものすごくお金がかかりますからね。皆さんから頂いている授業料をスポーツに投入するということを、武蔵はしてないんですね。
知名度に関しては、私も歯がゆい思いはしているんですけどね。
何か画期的なことがあればいいんだけどね。オリンピックの選手が出たりとか…。
やっぱりスポーツじゃないですか(笑)
あるいはノーベル賞とかね。
文系の大学だからかなり難しい。
川端康成みたいな人が出ないと。
寺田くんに期待を。
一同 (笑)
いっときの広報を追うのであればいいですけど、それが5年後10年後に名前が残るってあまりないと思うから、地道にゼミをやっているのはいいと思いますよ。
ただ私は少し危機感を持っています。高校の先生方もどんどん変わるじゃないですか。
昔からゼミの武蔵を知っている先生はいいんですけど、新しい先生とか理系の先生は武蔵大学をあまり知らないんですね。そうなると、なかなか武蔵大学をおすすめしてくださらない。
いつまでも先生が武蔵大学を薦めてくれるわけではないので、教員向けの雑誌に広告を出したりはしていますね。高校の先生が知らなかったら、受験生はもっと知らないので。
▲武蔵大学 by AERA。製作費がかなりかかったのは勿論、コロナ禍で撮影が進まず大変だったらしい。
インターネットでもデータを公開中: https://www.musashi.ac.jp/request.html#web030
◾️攻めた広報
電車の中などで、国際教養学部の「世界水準で学び抜く覚悟はあるか」という広告をよく見ますが、この広告にはどういった意図があるんですか?
▲電車の車内でよく見る広告。
今の世の中はグローバルって必須で、武蔵大学でもアピールしたいんだけど、大規模大学が100の広告を出しても、武蔵大学は1しか出せない。その中でどう目立っていくかっていうと、こういう広告を作るんですね。
広報室が音頭をとって、国際教養学部の先生に意見を聞いたら、圧倒的にこれだろうと。「覚悟のない人は来なくていいです」っていう広告ですね。そんな思い切ったことやっていいの?と聞いたら、それでいいと。
これで志願者が集まったらはじめて成功といえるので、まだわからないですけど、今のところいい感じで動いています。実は、広告賞に応募しませんか?という声をいただいたんです。
新聞広告の検証でも、この広告を確かにみた人が多数いたということで、広報戦略の第一歩はまず踏み出せたといえると思います。
アンケートの中でも、「電車内などの広告は信頼感がある」といった意見を頂きました。
でも、実は交通広告って難しいんですよ。普段、電車の広告って見ますか?
確かに、スマホを見ていることが多いですね…
そうですよね。でも、交通広告の一番のターゲットは、社会人なんですよ。
そうなんですか!(少し意外)
受験生なら雑誌やDMでもいいんですけど、一般の人に認知してもらいたいということで、交通広告を続けています。
◾️これからの広報
大学のホームページが、最近リニューアルされましたよね。
前は、 PC版とスマホ版でURLが別だったんですよね。
時代の流れでPC もスマホも両方対応するものに作り替えたいというのと同時に、デザインが古かったので。
来年が武蔵学園の100周年なので、それまでにはホームページのリニューアルをしようという方針があったんです。だからこのタイミングになった感じですね。
▲武蔵大学のホームページの変遷。1998年のものも発掘したので一緒に載せておきます。
他にも、100周年に向けて何かやっていることはありますか?
100周年に向けての特別サイトがあるよね。
▲根津育英会 武蔵学園百年史 特別サイト:https://100nenshi.musashi.jp
このサイトは初めて知りました。きじキジでも100周年記念記事を出したいですね。
あと、 江古田を学生の街としてもっと盛り上げていけるといいよね。
武蔵野音大があって、日藝があって、武蔵があって、3つも大学があるけど、あまり知られていないんです。
江古田がちょっと地味なんですよね。
面白い素材はあるんだけどね。だから、西さんがオブザーバーになって、西武鉄道さんや他の大学と「江古田の街を盛り上げよう」という草の根運動(江古田キャンバスプロジェクト)をやっています。
他の大学では、大学のあるまちがよく知られているけど、江古田もそういうふうに育てたい。掘り起こすといっぱい個性的でいい店ありますよね。
江古田にある他の大学も、西武鉄道さんもみんな幸せになるいい施策ですね。江古田を学生の街として有名にするのが、武蔵の知名度向上の近道なのかもしれないですね。
いかがだったでしょうか。小規模な大学だからこその難しい点もある中、広報室が日々奮闘していることをお伝えできたなら幸いです。
広報室の皆さま、本当にありがとうございました。
ちなみに、知名度アンケートで頂いた「武蔵大学の知名度アップ策」は、広報室にも全て提案させていただきました。
多かったのが、「テレビ出演などで地方への知名度を上げる」「スポーツの部活を強化する」という意見。
他にもたくさんの意見をいただきましたので、一部抜粋してご紹介します。
「今はNHKで渋沢さんの番組をやってるので、共に未来を築いた根津さんをもっと広める!」
「シラキジくんがYoutuberになるか、有名ツイッタラーになる」
「白雉祭をもっと盛り上げる」
個人的には、シラキジくんなどを活用してインターネット上でのPRを強化するのはいい案だと思いました。テレビCMより安く全国に届けられるのに加えて、広告の効果も測りやすいのが特徴ですね。
あわせて江古田の情報も発信して、もっと有名にしていきたい…!
きじキジのメンバーとしても、武蔵の知名度を上げるべく関わっていきたいと思います!
では、「武蔵の知名度を上げたい。第2弾」でお会いしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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武蔵大学 by AERA(外部リンク)
(社会学部2年 てらだ)