編集部員の夏休み2020【そうだ、ストビューしよう。】

2020年10月19日

みなさんこんにちは。毎年恒例「編集部員の夏休み」、今回は特別編です。(前回の「春休み」はこちら

新しい暮らしへのシフトが叫ばれてはや半年以上、私たちの日常にさまざまな「暮らし方」が根付きつつあります。テレワークや料理のテイクアウト、巣ごもり生活の息抜きに、新しい趣味にチャレンジしている方もいることと思います。そんな新時代に提案します、Google Earthでリモート旅行」。新入部員2名の提供でお送りします。





はじめまして、新入部員のさとうです。B型の双子座、好きな飲み物はジンジャーエールです。全飲み物のなかでぶっちぎりに好きです。水くらい好きです。

さて、夏休みを迎えるずっと前、私は友人のA氏(少年Aみたいなことじゃなくて実際に、苗字のアタマがAなのです)と、縁もゆかりもない四国地方を行き当たりばったりで漫遊するという、「プラン」というにはあまりにノープランなプランを立てていました。

が、まだまだそういうテキトーなことをやっていいご時世ではなさそうです。友達や家族と温めていた旅行計画をしぶしぶ見送ったという方は、この夏、多かったことでしょう。

 

じゃあ、ストリートビューでやればいいじゃない。

 

そういう企画になっております。




そんなわけでやってまいりました、東京駅。


写真は朝のもののようですが(そしてびっくりするくらい、人いませんが)、プラン上私は夜、それも22時前の夜中にここへ着くことになります。

 

なぜか。

 

寝台特急に乗るためです。

 

東京から西へ延びて延びて香川/島根に至る、寝台特急〈サンライズ瀬戸・出雲〉。今回は〈瀬戸〉に乗って、豪勢に(最安で片道15000円強)、香川の高松駅まで寝ながら行っちゃいます。

Aちゃんは(「A氏」とよぶような仲でもないので今後この表記にします、矢沢の永ちゃんと同じ発音です)電車が得意で、どこか出かけようというときには必ず最適な経路を提案してくれるスーパーハイスペック好青年なのですが、今回の寝台特急案も彼が持ち出してくれたものです。ありがたいですね、毎度、ほんと。

 

ということで寝ます。もちろん自室で。万年床で。

 

 

だってストビューだもの。

 

 

でも大丈夫、YouTubeにサンライズ瀬戸の乗車動画9時間アップされている方がいました。これを観ながらごろごろすれば、気分だけは特急の寝台です。あとは想像力でなんとかなります。たぶん。

「ひとはイマジネーションの力で、どこへでも旅ができる」と福山雅治さんも『JET STREAM』(TOKYO FM)で言ってました。福山雅治さんが言うんだから間違いありません。

(ご存知ないよという方はぜひradikoとかで寝る前に聴いてみてください、なんかもうマジで睡眠導入剤です)


ストビューで使える画像がないか調べていると、静岡の藤枝駅近くで停車中と思われるサンライズがおりました。Googleストリートビューに偶然写り込んだ鉄道を探す室内遊戯、通称「グー鉄」というらしいです。これはこれで楽しい。




おはようございます。時刻は7時30分、高松駅に着きました。

めっちゃ微笑まれてます。きかんしゃトーマスの世界観でしょうか。

ともあれ歓迎されているようで何より、これで今日1日の旅程も安泰…………

 

…………嘘ですね。自宅ですね。

ついでに言えば10時過ぎですね。動画のおかげで危うく完徹するところでした。

 

さて、朝ごはんですが、せっかく香川なのでうどんを食べたい。Aちゃんも「めちゃくちゃ好きではないが好き」と言っていることだし、ちょうど駅構内にあった「連絡船うどん」さんを訪ねようと思います。

高松駅と、海を挟んで北側にある岡山の宇野駅を、瀬戸大橋ができるまで長いあいだ結んでいた鉄道連絡船、そのデッキでやっていたうどん屋さんを前身にもつため、この名前なのだとか。一番人気は「肉ぶっかけ」、とても楽しみです。

 

 

 

 

 

では早速、うどんを茹でていきましょう。

500円玉握りしめて待ってても出てきません。自宅なので。

できました。素うどんです。

私の料理スキルはお手伝いを除けば「茹でる」「沸かす」「混ぜる」くらいなので必然、こうなります。Aちゃんは釜玉うどん派だそうです。

…………おいしかったです。純粋に、朝うどんってなんか楽しいですね。

もう朝じゃないけど。10時だし。昼食べれるかな。




ノープランなぶらり旅、という触れ込みをしてしまったため、ぶらりします。

海が近いようなので、港のほうに行きましょう。

当然ジャンプはせず、道沿いに歩きます。ひたすら。駅から。

「ぶらり」とはそういう、ストイックな精神性をふくんだ言葉なのです。

港のほうへ、

のぼって、

歩いて、

歩いて、

歩いて、

…………ん?


なんか、ある…………。


降りてみます。

…………でかっ。何だろうこれ。

さいわい名前はすぐ分かりました。なんせこちとらGoogleストリートビューです。


〈リミナルエアコア。大巻伸嗣さんという現代美術家の作品だそうです。

鏡面になった柱にまわりの景色が映り込み、『高松の環境を可視化するゲート』の役割を果たしているんだとか。

 

 

なんかこう、すげーですね、なんか。うん。………うん。

 

 

…………次行きましょう。

 

 

さっき地図モードで見たときにチラッと、かなり気になる場所がありました。

 

長くね?

埠頭からさらに突き出した、謎の道。防波堤とかでしょうか。しかも先端には何かあるっぽい。

 

 

…………歩こう。

 

なぜか。

 

そこに道があるからです。 





あと暇だからです。

あらためて、長い…………。


いざ、

 

 

〜〜約108クリック後〜〜

 

 

ゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーール。




…………はい、着きました。灯台っぽいですね。


…………。


まあ……そうですね。いい運動にはなりましたかね。指の。

「ぶらり」の心も、全うできたのではないでしょうか。


…………。


…………帰ろう。陸に。




ノープランなぶらり旅、という触れ込みをしましたが実は、以前から行きたい場所がありました。

えいやっとダーツを投げて四国に当たったわけではなく、あえて四国に来ているわけです。来てませんけど。


香川のとなり、徳島県鳴門市にある、大塚国際美術館です。


世界各国古今東西の「名画」の数々を、原寸大の陶板に焼き付けて一挙に展示するという変わった美術館で、お察しのとおりアートのアの字も心得ない私のようなやつでも、ダイジェスト的に楽しむことができるすばらしい場所です。

 

モナ・リザをさわれるくらいの距離で見ながら実際にさわったり、

 

ゴッホのひまわり計7枚に囲まれたり、

 

完全再現されたバチカンの礼拝堂のなかで大量のローソク焚いて大晦日に『Lemon』を歌い上げたりすることができます。

 

夢がありますね。

 

なかでも特に有名な、珍しい展示がこれです。

クロード・モネの『大睡蓮』


の、360度アラウンドビュー。

芸術の「芸」の字の難しいほうは書けるけど「術」の字がたまに書けない私でもわかる、これはヤバい。

何がヤバいって、絵自体もきっとヤバいんだろうけど何より、これをここにこう展示した学芸員さんたちの心意気がヤバい。 


また、ご覧のとおりこの作品、屋外に飾られているんです。普通のキャンバスに絵の具だと雨風や紫外線がまずいのでできない、自然光のなかでの観賞。陶板だからこそできる演出ですね。Aちゃんも、

 

「目が回るけど、いいと思う」

 

と絶賛しております。いつか実際に行ってみたいですね。


行きたいな、ああ行きたいな、行きたいな。芭蕉。




そんなこんなで、以上「Googleストリートビューでガチ旅行」でした。

思いがけずアーティスティックな旅程になってしまいましたが、そういう「思いがけなさ」もまた旅の一興といえるでしょう。私のアート心も磨かれた気がします。たぶん。

いつか〈リアル〉で行ける日々を願いつつ、こういうのもたまには、悪くないかもしれませんね。



続いては足立区民のなかの足立区民、てらだくんパートになります。私とは違う感じの “旅” をしてきたようです。





はじめまして。新入部員のてらだと申します。

高校時代は、卵焼きが好きという理由でたまごと呼ばれていました。最近のマイブームは缶入りのサクマ式ドロップスです。チョコ味が出た時の当たり感とハッカ味が出た時のハズレ感がすごいです。

 

さて、私もストリートビューでリモート旅行を楽しんでいきたいのですが、いざ考えてみると行きたい場所がなかなか思い浮かびません。

そんな中この機能を見つけました。

↑ I’m Feeling Lucky(直訳:私は幸運に感じています)

日本語だと意味不明ですが、これをクリックすると全世界の名所がランダムに表示されるらしいです。

今はコロナウイルスの影響で海外になかなか行けませんが、リモートなら問題ありません。家にいながら世界一周してみたいと思います。

 

早速クリックしてみました。最初に出てきたのはこちらです。



↑これぞリモート旅行の醍醐味

 

アメリカ・ユタ州の「グレート・ソルト・レイク砂漠」が表示されました。

建物ひとつない爽快な景色ですね。一生で一度でいいので、ここで大の字に寝転がってみたいです。

道路の左右に広がる砂がなぜ白っぽいのか調べてみましたが、土壌中の塩分が非常に多いためとのことでした。完全な砂漠ではなく、近くには塩湖もあるそうです。

 

続いて出てきたのがこちら。



↑日本の某テーマパークにもありそうなお城

 

ブラジルの「Beto Carrero World」という遊園地です。

地球の反対側、ブラジルの遊園地なんて想像したこともなかったですが、遊園地の雰囲気は何となく世界共通な気がしますね。個人的には誰もが知っている有名テーマパークよりもこういうメルヘンチックな遊園地のほうが好きです(笑)

 

きりがないので、次を最終目的地にしたいと思います。次はどんなスポットが出てくるのか!?

 

江戸川区。

 

今から自分の足で行ってこようと思います。

皆さんもぜひ「I’m Feeling Lucky」をお試しください。

 

【おまけ】

I’m feeling luckyで何とか「武蔵大学」が出ないか頑張ってみましたが、100回ぐらいクリックして結局断念しました。皆さんはおとなしく検索ボックスに入力しましょう。



↑ リアル校舎での授業が完全再開される日を夢見て…。

 


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【素材:いらすとや、Google Earth】

(社会学部1年 佐藤・寺田)

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