江古田駅のあっち側のお店の看板ロゴを愛でる会【フォントオタク!】
フォントオタク大学生のフォントオタク話、ほぼ「かわいい」しか言ってなくて実用性皆無。
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____ある日、「練馬」のナンバープレートって変だなあ、と思ってとりあえず検索したら、同じことをものすごい熱量で語り合っているウェブ記事に出会った。
娯楽サイト〈デイリーポータルZ〉の投稿「ナンバープレートの地名の文字を愛でる会」(←タップして読む)だった。
これのかわいさを大人4人が延々しゃべっているのだ
その日から〈デイリーポータルZ〉は〈デイリーポータルZ様〉になった____。
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みなさんお疲れさまです、4年さとうと申します。
とまあ、そんな経緯でこのたび、開会します「江古田駅のあっち側のお店の看板ロゴを愛でる会」。
“あっち側”とはどこか? 説明しましょう。
江古田駅には、北口と南口があります。
北口方面は、武蔵からみて逆方向にあたり、多くの武蔵大生にとって「用事がなければまず行かない場所」かと思います。
最寄駅3つの中で、江古田ユーザーが圧倒的に多い
じつは、商店街が栄えており、また南口サイド(武蔵大学側)に劣らずの飲食店地帯でもあります。
そしてなんと、お店の看板ロゴがかわいい。
かわいい
かわいい
今回さいごまでずっとこんな感じです。
台風が過ぎ、甲子園が終わり、なんか北海道とかでえげつない気温が観測されたらしいニュースが聞こえてくる、2023年8月某日。
きじキジ編集部は、ぬくぬく冷房のきいた部室から街へと繰り出します。
江古田駅のあっち側、かわいいお店の看板ロゴを愛でるためだけに。
練馬区、お散歩日和であります(出典:日本気象協会〈tenki.jp〉)
– – – 登場人物 – – –
1年かわばた 取材前日までずっと沖縄の実家に帰省していたらしい。そんなタイミングでかような地味な企画に参加してくれるフットワークの軽さは、断じて彼女が、じつは変態的なフォントオタク性をもっている、という意味ではたぶんない。
熱中症ダメゼッタイ、を合言葉に集まっている
3年なかたに 文字の造形をみるタイプの生粋のフォントオタク。まだTwitterだったころのXでタイムラインに流れてきた「ナンバープレート〜」を読み、とても興奮した。昭和レトロや大正ロマン系のデザインフォントに目がない。
隙がまったくない、ように見えて、水筒がぬるい
4年さとう 雑な散歩とフリーフォント漁りが趣味なので、今回の取材はとても楽しかった。またやりたい(夏以外で)。Copperplateというフォントを嫁認定している。
頭にタオル巻いたら「ラーメン屋」と言われた
この子がCopperplate、かわいいね
なんだかんだと(炎天下で)小一時間歩き回ってしまったかわいい看板めぐり、写真ダイジェストでご覧ください。
今回の散策ルート。最優先で日陰を探して歩いたため、網羅性は低い
後半には感想戦、3人がそれぞれ好きな看板と推しポイントを語りあって幸せな気持ちになります。
あそこに松屋1号店あるんですよ。
江古田なんだ。あの立体的「牛めし」いいじゃん。
「松屋」も、チェーン店でみるのと違うやつですね。筆書きかわいい。
さすが1号店。
ネオンフェチに刺さるやつ
さりげない立体化「鮪」
ドリームライフ、好きですねー。フォントよくないですか?
「ザ・ベストテン」ぽい。勢いがあるね。
クラシックスタイルながらバランス◎
あっ「こみゅにてぃせんとう」あった!コインランドリーも!
コインランドリーの世界観が急に下北沢だ。アニメのタイトルっぽい。
同じ浅間湯の系列なのに、ここまで印象違うのすごいですよね笑
「(さ)これ、なにでできてる看板?」「(か)木彫り、ですかね?」
(関連記事:江古田でオムライス食べよ?)
「(さ)最近のコインランドリーってみんなこの感じなん?」
「(な)似てるフォントあったけど思い出せない」「(か)バイクに貼るシールみたいですね」
ちょっとCopperplateみある「サカエ」
この雑貨屋さん入ってみたい。かわいい。ていうかロゴもかわいい。
すごいなんか、完成されている。かわいい。
よくみるとThreestarsって書いてある。かわいい。
「(さ)赤マッシュとは」「(な)店主の髪型じゃないですか?」
(関連記事:『ガラクタや ネバーランド』と『たぬきたん(奇譚)』)
あ、「まほうつかいのでし」いいじゃないですか!
ここ一帯の「かわいい」を担ってそう。
夜にネオンが光るんですよ。それもかわいくて。
カタバミ質店。「タ」かわいいな。
カタバミって植物ですね。
カタバミの「タ」と「ミ」どっちが好き?
「タ」と「ミ」どっちが好き?
うーん、「タ」ですけど、この看板たらしめてる文字は「バ」ですね。
この看板たらしめてる文字は「バ」
次点で「タ」かな。「ミ」は潰れすぎな気がします。
たしかに「バ」がアイデンティティ、わかる。
逆に「カ」とか「ミ」はなんか記号的っていうか、有機的な「バ」の対比というか………。
「有機的なバ」笑
アイデンティティを喪失した電柱広告カタバミ
突然の「ら」
こっちもかわいい。「ロザリア」。
なんか微妙に創英角ポップ体じゃない気がする「篠田眼科」
「グ」が小さいし、「ツ」がつながってる
「(な)この看板だけでフォント5種類使ってますよ!」
「リンダリンダ」。このフォント欲しい!
書体といい配色といい、すごくパンクロックみがある。
この言葉もいいですね。なんか、煽ってきてるみたいで笑
二郎系ラーメンのパロディじゃない?「ニンニク足りてますか?(無料)」
レタリングへの熱意がすごい手芸屋さん
業務内容からはイメージできない、フォントの頼もしさよ。
「タス」いい味ですよね。………でも、なんの「タス」なんだろう?
「学生服のタス商会」。一個もわからんすね。
ただの筆記体&ゴシック体に見えて、じつはかなり垢抜けている
ぽてっとしたインク溜まりの感じがかわいいけど、全体的にスッキリ
これ! この道通るたびに、好き!ってなるんですよ。
たぶん、大正ロマン系のジャンルの書体だと思うんですけど。
はあーやっぱり「屋」かわいいなあ。
「屋」の右上と左下の欠けてる部分、よくぞやってくれた!という印象。とてもよい。
「‘P’atisserie le‘S’」と「‘P’lanete‘S’」で文字をシェアしている
「常」のいびつな形といい、全体的にアンバランスで気持ち悪いですね………。
それが狙いなのかも。ただのゴシック体で書くよりも、緊急時に目に留まりやすい、みたいな(※個人の見解です)。
江古田散策、どうでした?
北口のほうって行ったことなかったですけど、知らないお店がいっぱいあって楽しかったです。
ねー。名前だけ知ってるけど場所知らないお店がわかって、よかった!
熱中症もなんやかんや大丈夫でした。練馬区に勝ったぜ。
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江古田のベストカンバン10選!
(あるいは、フォントオタクが推しで優勝した日)