【白雉祭】フェザコン2022優勝〈amemiya〉さんインタビュー!!
配信っていう話で、ふと気になったのは、フェザコンって毎年「個性」というキーワードじゃないですか。
ですね。
配信とかSNSの活動ってかなり社会性というか、ある種のコミュニケーション能力が求められると思うんだけど、「個性」の前提にそういう能力は含まれるってことなんすかね?
たとえば、絵とか音楽とか「作品」だけで評価してほしい人がいてもおかしくないよな、と思って。
それなんですけど、まさにわたしも「個性の表現方法」で苦労しましたね。
ちょっと話ずれるんですけど、白雉祭当日のステージで出場者がパフォーマンスをするんです。だいたいみんな自分の特技、楽器とか歌、ダンスっていう表現をするんですけど。
わたしはそれが「イラスト」だったんですよ。
なるほど、「発表」のための表現方法がむずかしいんですね。
持ち時間は全員、8分くらいだったんですけど「絵」ってどうしても時間かかるんですよ。ステージ発表だから、客席から見える大きいサイズでなければいけないし。
なんか海外のオーディション番組みたいだ。
それで思いついたのが「でかい未彩色の絵(線画)を用意して、ステージで色を塗る」「使う色は観客に決めてもらう」という方法でした。
パフォーマンスのようす。即興のインスタレーションに近い
色塗りに特化させたんですね。しかも視聴者参加型。
そう、一方的に見せるだけじゃなくて、視聴者参加型にしたかったんです。
で、それでも色塗り作業の間は、見てる人に暇させちゃうと思って、バックスクリーンにその線画を描いてる様子を映して作業しました。
モチーフはフェザコン2022のテーマ【多彩】
すごい、時間の縛りから解放されてるじゃないすか。
ファイナリストの鑑みたいな、努力と工夫のパフォーマンス………(笑)
ありがとうございます(笑)
ところで、ファイナリストに選ばれて、周囲の反応などはどうでしたか?
数名が「気づいて」くれた感じでした。周りには全然公表してなかったので。
たしかにそのための覆面だし匿名っすもんね。
理由があって、身内票で戦うのだけは避けたかったんですよ。友達に票入れてもらって勝ってもなんか嫌じゃないですか。それで実行委員の方とも話し合って、こういうスタイルでいこうとなりました。
なるほど。ほかの人は基本的に実名顔出しで活動されてますよね。「学生」って感じで、友達が応援してくれるのも自然なことだし。
ですです。もちろん友達の応援それ自体が嫌なわけじゃなくて、わたしはそれを封じて活動してたってことなんですよね。
縛りプレイだ。
そう、本当は、学年とか学部学科も何も公表せずにやりたかったくらい。
まあでも、さすがに本当に親しい人たちにまで黙ってるのはよくないと思って、本番前日の夜、急に「明日コンテストに出ます」ってお知らせしました(笑)
そもそも、どうしてフェイスマスクをつけるという発想になったんですか?
さっきの、わたしのミスコンへの偏見の話と繋がるんですけど、こういうコンテスト系ってやっぱり正直「顔だろ」って当時は思ってたんですよ。
で、せっかく武蔵のフェザコンが「顔だけじゃない」企画なので、いっそ「顔」をわたしの評価基準からなくしたいと思ったんです。
(↓参考記事:第1回フェザコン2021の思い↓)
初開催!〈フェザントコンテスト〉ってなんだ!?【白雉祭2021】
だからというか、最初は自分の姿すら見せないつもりでした。バーチャルというか、本当に実体はなくていいっていうスタンスで。
amemiyaさんのパフォーマンスが「絵」だったというのも、関係あるんでしょうか?
そうなんです。イラストレーターさんとか、作品とその人の顔や姿ってあまりリンクしないですよね。覆面性と作家性っていうか、そんな感じです。
バンクシーだ。
そうそう(笑) 結構それが正しくて。バンクシーくらい匿名で活動したくて、じゃあ顔も姿もいらなくない? って本気で考えてました。
amemiyaという存在と、その作品だけで勝てばいいと。面白いですねえ。
「できる限りわたしの中身だけを純粋に見てもらうにはどうすればいいか?」って考えた末のamemiyaでした。顔で審査されるのはわたしの本望じゃなかったので。
美しい顔ランキング的なものへのアンチ。
そう、その感情もありました。ミスコンに反抗する者でいてやろうと、一人で勝手に(笑)
今年のコンテストや出場者については、どんな印象がありますか?
全体的に、去年よりも動きが活発になってるなと感じます。今年はかなりみんな、日々の活動を大事にしてて、結構頑張ってるなあっていうか………なんか、どの立場だよって言い方ですけど(笑) 素直にアクティブでいいなと思ってみてます。特に配信活動ですね。
去年もそうだったんですけど、配信アプリの中で、自校だけじゃなく他校のコンテストの子たちとも競い合うっていう仕組みが実はあって。自校のコンテストと並行してそっちも頑張らなきゃいけないっていう構図がありました。
なるほど、複雑ですね………。
大変だったけど、他校の子たちと仲良くなれたので、その意味ではよかったですね。わたし自身「ミスコンは顔が9割」みたいな価値観がなくなったし。だってみんなものすごい努力してるから。
でもひとつ、一歩大学を出るとフェザコンじゃなくて「ミスコン」出場者としてカテゴライズされちゃうのが、なんかモヤモヤしました。存在として「ミス」でも「ミスター」でもない中性的なamemiyaを目指してもいたので、一方的に「ミス」の価値観や基準に当てはめられてるような感じがして。
さっきも話したようにamemiyaは当初「勝手にミスコンに抗ってる人」だったので(笑)
なるほど、複雑ですね(笑)
まあでも、知らない世界を見れたので、とにかく楽しかったですよ。
「推される側」を経験した上で、今後のフェザコンについて思うことありますか?
そうですねえ、やっぱり純粋に「たくさんの人が投票してくれること」がモチベーションにもなったので、ぜひ投票お願いします、って感じです。それに尽きますね。出場者のSNSをチェックして、気になる子を見つけてもらって。
白雉祭フェザントコンテスト公式Instagram@pheasant_contest
純粋なイベントとしての完成度も、結構な回数のリハと、出場者それぞれ練習もやってきてるので、見れば心が動くものがあると思うんですよ。当日見にいって損はないです。
そうなんですねえ。私もぜひ見に行きたくなりました。
ぜひぜひ。あ、これは余談ですけど、わたし去年、他校の子たちと仲良くなって、そのなかで1人すっごい推しができちゃったんですよ。で、その子を見るためにわざわざ他校の学園祭行ってきました。
ちゃんと「推す側」も楽しんでる!(笑)
しかもその日、友達も連れてって、推しのどこが良いのかをちゃんと説明した上で「でも最終決定権は君にあるけどね」って言いました。投票してくれてもいいよって。
推し活特有のツンデレですねえ(笑) ありがとうございました!
出演 amemiya
X(Twitter)/Instagram
取材 1年水上 4年さとう
執筆・編集 2年やぎ 3年なかたに 4年さとう