大学の授業でPCR検査してみた結果…【サイエンスラボ講座(生物学)A】

2024年05月29日

「この授業,オモシロい!!」

高校までとは一味違う,大学ならではのユニークな授業を紹介していくこの企画。

第4弾となる今回は,果たしてどんなオモシロい授業に出会えるのでしょうか?
編集部員が潜入し,その中身を探ってきました!

 


 

みなさんこんにちは。編集部員のよこたです。

〝第4弾〟と聞いてピンと来た方は,きじキジ玄人とお見受けします。
きじキジには,大学のユニークな授業を紹介する〝オモシロ授業〟という企画があります。

潜入!!オモシロ授業&ゼミ

オモシロ授業

オモシロ授業 第2弾

オモシロ授業 第3弾 ~クリエイティブ・ライティング~

2013年から始まったこの企画ですが,前回となる第3弾の公開は2017年…。
楽しみにされていた読者の方々…

(ペコリ)


7年越しの新作となる今回は,どのような授業を取り上げるのでしょうか?

 

 

〜5月某日〜

 

どうやら,そのオモシロ授業はサイエンスラボで行われているという情報を入手しました。
さっそく潜入すべく,おそるおそる中に入ってみます。

白衣を着たみなさんが,何やら作業をしています。
武蔵大学+白衣というのは,見慣れない光景ですね…

一体,何が行われているのでしょうか?
意を決して近くの履修生に声をかけてみました。

すみません
今,何をしているのでしょうか?

PCR検査のための練習をしています。

PCR検査とは…?

授業の一環で,今回はPCR検査を行うんです。

授業でPCR検査!?
それ,オモシロいですね!

…ということで,今回紹介するオモシロ授業は「サイエンスラボ講座(生物学)A」です!

 


 

〜読者の方々に,シラキジくんから補足情報です〜

 

「サイエンスラボ講座(生物学)A」では,バイオサイエンスに関する様々な講義・実験を通じて,
生物と環境との関係を分子・細胞レベルで探究していきます。

今回の授業ではヒト口腔上皮細胞からDNAを抽出し,
アルコール分解酵素の遺伝子をPCRで増幅します。
その後,電気泳動でアルコール分解酵素の遺伝子変異を検出し,お酒の代謝能力を調べます。

PCR
(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)
とは,実験者が任意に選択した塩基配列を百万倍以上に複製する方法です。
(出典:かずさDNA研究所『ALDH2遺伝子の多型解析—PCR・アガロースゲル電気泳動』p.13)

 

 

難しい言葉が並びましたが…
今回の実験では,自分がお酒に強い体質かどうかを調べることができるようです。

 

 

どうして,この授業を履修しようと思ったんですか?

シラバスを読んでいて,
「この授業,オモシロそう!」と思ったからです!

高校生の時から理系の科目にも興味があって。

素晴らしいですね!
知的好奇心の赴くままに行動する…
(ぜひ,きじキジ編集部に来てほしいです)

 


 

せっかくなので,実験にも参加させていただきました。

▲資料を読んで…

▲サンプルを準備して

▲マイクロピペットで何やらしています。
(ちゃっかり白衣まで…)

▲電気泳動の機材と向き合うほかの受講生。
(よこたより上手でした)

 

ベテラン受講生の姿も。
様々な人を受け入れる懐の深さが,サイエンスラボにはあります。

【丸橋珠樹 教授】武蔵大学にいる理系の先生とは?

 


 

この授業は,特にどんな学生にオススメですか?

生命に関する,肉眼で見えない部分を見てみたい人にオススメしたいです。
顕微鏡を使って,ようやく見えるもの・それでも見えないものだってありますよね。
この授業を通じて,そういったミクロの世界を楽しんでほしいです。

 

この授業のオモシロいポイントは何だと思いますか?

繰り返しになってしまいますが,ミクロの世界を取り上げる点ですかね。
PCR検査など,バイオサイエンスならではの手法もオモシロいと思います。

余談ですが,実はバイオサイエンスは文系の学問(例えば考古学や人類学)
でも利用されているんです。

えっ!そうなんですか?

発掘されたヒトの骨や,排せつ物の化石に残ったDNAを調べることで,
当時の社会構造や食習慣を調べることもできるんです。

そんなアプローチもあるんですね…
学問は奥が深いです。

 

最後になりますが,
この授業で受講生にどのような力を身につけてほしいですか?

武蔵大学の学生さんは文系の方が多いと思いますので,
理系の考え方に触れてみてほしいですね。

(バイオサイエンスにおける)
未知なものに対するアプローチやその方法を知ってもらいたいです。

理系学問の手法を知ってもらうことで,
(特に理系の)世に溢れる情報を批判的に判断する力も身につけてほしいです。

 


 

というわけで今回は,「サイエンスラボ講座(生物学)A」というオモシロ授業を紹介しました!
未知なものに対するアプローチやその方法は,大学生として身につけるべき力であると同時に,今後の生活を豊かにしてくれるものでもあると思います。
楽しみながらそうした力を身につけられるこの授業は,まさに履修の価値あり!

快く取材に応じてくれた受講生の皆さん,先生方,本当にありがとうございました。

 

※この記事で紹介した授業は,2024年度に開講されたものです。
授業は年度によって,開講されない・内容が変更されることもあります。

 

この記事は,この企画を絶やしてはならないという意志のもと,
前回となる第3弾「オモシロ授業 第3弾 ~クリエイティブ・ライティング~」へのオマージュも込めて作成しました。

(元)社会学部の今野さんに,この場を借りてお礼いたします。

 

【取材協力】
武蔵大学リベラルアーツアンドサイエンス教育センター
李 天舒 先生
堀越 正美 先生
丸橋 珠樹 先生
武蔵大学 教務課(自然科学)事務員の方々
サイエンスラボ講座(生物学)A 受講生の皆さん

【取材・執筆】
人文科学研究科 よこた

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